
佐藤 圭一さとう?けいいち
?国士舘創立から5年を経た1922(大正11)年4月22日、国士舘大講堂において一人の実業家が生徒に向けて講演を行いました。いわく「今日の教育は、形式的に流れて教育そのものの精神に欠けており、知恵にのみ汲々としている。結果、精神と云う点においては全く地に堕ちている。教育界に国士舘が出現したことは自分らの念願が実現されたものである」と述べ、最後に「リーダーというものは、広い器量と強い意志を持たなければならない。リーダーの責任は重く、進むべき道のりは遠い。粘り強く、責務の重みに耐え、生涯学び続けることが大切である」と講演を締めくくりました。その実業家こそ、国士舘創立期の支援者であり、「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一です。
1世紀の時が流れ、世界は今、必威体育の世界的流行、地球温暖化に伴う気候変動、そして国際秩序の危機的状況など、予測不可能な時代を迎えています。加えて、18歳人口の継続的減少にあって、わが国の大学はパラダイムの転換と、そのための教学マネジメントの確立が重要課題となっています。
混迷を深める時代を生き抜く自律的な学修者を養成するために、大学は、従前の「供給者目線」から脱却して、「学修者本位の教育」への転換が求められています。このために大学は「どのような学生を求め」「どのような学生を世に送り出すか」「そのために、いかなる理念に基づき、いかなる教育を実践するのか」を明示するとともに、それに即した教育体系を構築し、その成果を社会に発信し続けなければなりません。
本学には、渋沢翁も称賛する建学の精神「国を思い、世のため、人のために尽くせる人材の養成」、教育理念「誠意?勤労?見識?気魄」が建学以来脈々と息づいています。本学の教育の真髄は、時代の要請に応えながらも、国士舘精神によって陶冶された教養豊かで論理的思考を備えた、社会を支える“国士(リーダー)”を養成することにあります。いつの時代にあっても公徳心溢れる有為な人材を世に輩出し続ける大学であることを誇りとして。
略歴
1955年青森県生まれ
1984年国士舘大学大学院政治学研究科政治学専攻博士課程修了、2006年政治学博士(国士舘大学)
1984 年宗教研究所助手として入職。
1987年宗教文化研究所講師、2002年政経学部二部教授、2003年政経学部教授、
2012年大学院政治学研究科長、政経学部政治学科主任を2期(2002年から2003年、2006年から2008年)、同学部教務主任を3期(2003年から2004年、2004年から2005年、2007年から2010年)務める
2015年12月国士舘大学学長に就任
2014年から比較憲法学会理事
2002年受賞学術賞:田上穣治賞(比較憲法学会)
専門はアメリカ政治史