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2024年03月27日

祝ご卒業】令和5年度(2024年3月)卒業生?修了生の皆様へ佐藤圭一学長からのメッセージ

式辞

 

国士舘大学 学長 佐藤 圭一

 

?本日、ここに国士舘大学で学問を修め、晴れて「学位授与の栄光」に輝くのは7学部2,728名、大学院10研究科119名、総勢2,847名の皆さんです。皆さん、ご卒業おめでとうございます!

また、これまで学生の皆さんの学びを支え、温かく見守って下さったご家族?保護者?関係する全ての皆様にも心からお祝いを申し上げますと共に、国士舘大学?教職員を代表して、衷心より御礼申し上げます。

卒業生の中には175名の留学生がおります。留学生の皆さんへ一言申し上げます。皆さんは、母国やご家族から遠く離れて、言葉や文化?習慣の異なるこの日本で学び抜かれました。留学生の皆さん! どうか、これからも研鑽を積まれ、母国と日本そして、国士舘大学とを固い“絆”で結んで行って頂きたいと思います。

只今、皆さんの代表者に、学位記、優秀修士論文賞、優等賞を授与しました。そして創立者の意思を継承し優れた成果を遂げたことを顕彰する柴田德次郎賞を、更には2名の方に「学位の最高峰である博士号」を授与しました。卒業生の皆さん、ここに至るまでの努力の日々、そして、獲得された栄誉に心から祝福の言葉を送りたいと思います。挫けることなく、よくぞ頑張り通しました。

 

本日卒業される皆さんは、本大学にとって特別な卒業生です。皆さんの多くが入学された2020(令和2)年は、必威体育の世界規模でのまん延(=パンデミック)の渦中で始まりました。死者や重症患者の急増、感染の加速度的拡大は戦後最大の危機とされました。

「3密」「クラスター感染」「テレワーク」「オンライン授業」などさまざまな新語が生まれ、国民生活に深刻な被害を及ぼしました。そして本学においても、感染防止という社会的責任から、已むに已まれぬ措置として、人生の節目として、心新たにするためにも大切な入学式を中止せざるを得ない事態となったのでした。更に異常事態は続きます。数度の緊急事態宣言の発令によって、不要不急の外出が戒められ、本学も3キャンパスの入構を禁止するなど、人生の新たなステージへ向かうはずだった皆さんにとっては先行きの見えない、過酷な時間が過ぎて行きました。
そうした中で、決して忘れられない日がやって来ました。国士舘大学は皆さんの健康と安全の確保を最優先とすると共に、高等教育機関としての教育の質保証を両立するため、環境整備のための給付金支給、そして皆さんのPC対応準備期間を経て、第1回目の緊急事態宣言解除前の「5月11日」という早期に全学一斉オンライン授業を開始したのでした。

 

“逆境は苦難と共に創造する機会”を我々に与えてくれます。今では当たり前になったICTの教育への導入は時間?場所を問わない教育の多様性を獲得する先駆的役割を果たすことになりました。勿論、そうした新たな教育への移行は、教職員の懸命なサポートと共に、皆さんの困難を克服しようとする精神力と忍耐、理性的かつ柔軟な適応能力によって叶えられたものであることは云うまでもありません。

とは云え、長期間に亘って禁断と隔絶の憔悴極める学生生活を強いられる厳し過ぎる日々が続きます。大学のキャンパスに1度も立ち入ること無く、アパート契約を解除して郷里に戻る新入生、引き籠り状態になり、心身の疲弊を訴える新入生。“目に見えないものへの恐怖”を抱え、苦しい極限状態が続きました。

 

そして、皆さん覚えていますか。 残暑厳しい9月初旬のことを。 感染防止策を徹底し3密を避けるために各学部ごとに開催した「1年生交流会」のことを! 初対面でありながら皆さんの笑顔で溢れ、マスク越しとはいえ、溌剌とした語らいで、キャンパスは蘇生したかのように息を吹き返したのでした。皆さんからは「学内の施設や教室を見たことで国士舘に入学した実感が沸いた」「交流会に参加して初めて大学の友達が出来て嬉しかった」「オンラインを通じて先生の顔は知っていたが、実際に話してみて意外と大学の先生は話し易かった」。
あの光景は、我われ教職員にも「教育とは何か、大学とは何か」を再確認する機会を与えてくれました。「学びとは独り善がりや隔絶とは真逆のものであること。語り合える友人や教職員、喜怒哀楽を共有できる仲間達との直接触れ合い、人と人との繋がりがあってこそ、学ぶことの意味が理解でき、人間らしく、そして学生らしく生きられる」ということを。  その後も続くコロナ禍を耐え抜いた皆さん、目標を失うことなく頑張り通した皆さんの強い意思に心から敬意を表します。

 


さて、ここからは国士舘大学を卒業する皆さんに是非とも心に留めて頂きたいことをお話しします。 題して、「今、再び国士舘の時代が開かれる!」
コロナ禍も沈静化し、今、世界から多くの観光客が日本各地に集まっています。一昔前には“爆買い”といって大量の買い物をすることが来日の主目的でしたが、今は違います。日本を知りたい。日本人の心を知りたい。日本の文化を知りたい。そのために神社仏閣を参拝したい。お寺で修行してみたい。物から、日本人の内面、つまり“日本人の心”に関心が移ってきました。

その切っ掛けとなったのが、13年前の2011(平成23)年の「東日本大震災」でした。震度7の大地震と共に、発生した大津波で関連死を含め2万人を超える死者?行方不明者を出した未曾有の大災害にあって、被災者が示した行動が世界中の話題になったのです。それは1月1日に発生した同じく震度7を記録したこの度の「能登半島地震」も同様です。

世界の人々が知りたい、そして称賛したのは日本人の理性的な行動です。その理性的な国民性の根源を成すものが、「自分よりも、他者を重んじ守ろうとする精神」です。被災者は口々に言います。「助けて頂いた皆さんに感謝の気持ちで一杯です!」「自分よりも大変な人が沢山いる!」。

非常時には暴動や略奪が多発する外国とは異なり、日本人は大災害にあっても、秩序を重んじ、自制し、他者を助け、助けて貰った方には、必ず「ありがとうございます!」と感謝の言葉を返します。

そればかりではありません。限られた水?食料でも、自分より困っている人、またお年寄りや子供達に進んで与えようとします。そうした、窮地であればある程に自制をもって行動する日本人に、世界は“奇蹟”として称賛の声を上げたのでした。

 

では、一体、日本人に共通する心とは何か。それが、日本人の心の奥底に脈々と受継がれている「自我の欲望を抑え、他人を思い、社会を思い、感謝する公徳の心」です。更には被災者の悲しみを、国民一人ひとりが“わが事として寄り添う”という“他者を思い遣る”日本人固有の行動様式です。
実は、そのことは我が国士舘が創立以来、揺るぐこと無く、受け継いできた国士舘教育の真髄である建学の精神「国を思い、世のため、人のために尽くせる人材の養成」 教育理念である「誠意?勤労?見識?気魄」そのものなのです。すなわち国士舘の教育理念とは「わが国が連綿として継承して来た日本人の精神」を意味しているのです。

 

皆さん、教育の理念である「誠意?勤労?見識?気魄」は、ただ“漫然”と並んでいるのではありません。その1つでも欠けては意味を成しません。
“奇蹟に近い”見事な順序なのです。

誠意とは私心(=わたくしごころ)を控えること。そして誠意に基づく勤労が大切です。何のために働くのか、「世のため、人のために」です。そして「国家社会のために貢献すること」です。

それに対して、誠意に基づかない勤労は、そして見識に裏打ちされてない勤労は、時として人間の欲望を満たすための“私利私欲に狂奔する”ことに陥りがちになります。また見識無き気魄は、虚勢や空威張りに陥りかねません。

そして、この価値意識は、本来は、決して日本人だけに留まるものではありません。全ての宗教に、万国に共通の、およそ全人類が共有すべき最高の美徳であった筈です。だからこそ、多くの国々では失われてしまったこれらの美徳を求めて、日本を訪ね、日本をそして日本人を知ろうとしているのです。

「今、再び国士舘の時代が開かれる」

今年創立107年目を迎える本学の「建学の精神」「教育理念」は、時代を問わない普遍性を有し、かつ国士舘大生や日本人だけに留まるものではありません。全人類が共有すべき最高の美徳、すなわち人間としての理念型でもあるのです。国士舘大学を卒業する皆さんはこのことを忘れることなく心に刻んで頂きたいと思います。

卒業される皆さんと母校国士舘大学との“絆”は生涯続きます。国士舘大学の教育の真髄を身に付けた皆さん。胸を張って社会に飛び立って下さい。国士舘大学は「建学の精神」そして「教育の理念」を体現する皆さんを応援し続けます。

5年後、10年後更なる成長を遂げた皆さんと再会を果たし、わが国士舘大学、そして「日本と世界」の将来について話し合えることを楽しみにして、卒業式の式辞とさせて頂きます。

 

令和6年3月20日  

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デジタル社会の「読み?書き?そろばん」にあたる「数理?データサイエンス?AI」の基礎などの必要な力を身に付けられるように、全学部で『AI?データサイエンス教育プログラム』を設けています。

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